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第97章 Thank you everyone by みきちん


「ねぇ、翔……。
さっきの質問、覚えてる?」

智の腕に抱かれ夢見心地だった俺は
現実へと戻された。

「覚えてない……」

嘘をついて智に背を向けた。

すると智は
俺を後ろからギュッと抱きしめた。

「きっと、出会えるよ?俺たち……」

智の言葉に耳を傾ける。

「だって、出会えたのは奇跡じゃない。
出会うべくして出会ったんだから」

「えっ?」

予想だにしてなかった智の言葉に
思わず振り返ってしまった。

「翔が祭りに来ることも……
俺を探していることも知ってた。
だから、俺は翔にヒントを与えた」

「ヒント……あっ!」

智が祭りに行く前日の言葉……

それがあったから智に出会えた。


「ホントはね……
答えを言いたかったんだけど。
それじゃあ、面白くないってアイツらに言われた」


アイツらって……嘘だろ?

だって、みんな智の事が……


「ずっとモヤモヤしてたみたい。
両想いなのに踏み出さない俺たちに……」

もしかして、わざとアイツらは
俺をけしかけた?

わざわざ俺たちのために、
大阪に前乗りしてくれたの?

わざわざ俺たちのために、
人混みの中に飛び込んだの?

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