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第14章 心の鎖 by みきちん

俺は、ベッドから勢いよく起き上がった。

また、この夢だ。

俺は幸せになっちゃいけない……

幸せになることを許されない……

ねぇ、お姉ちゃん。
どうしたら許してくれる?

どんよりした気持ちで学校に向かっていると

「雅紀、おはよぉ~」

「おはよぉ」

俺の親友の潤。

小学1年の時に近所に引っ越してきて仲良くなった。

だから、お姉ちゃんの事も知らない。

潤といる時だけは、辛いことをすべて忘れて楽しく過ごせる。

「顔色、悪いけど大丈夫か?」

「そう?」

「何かあったら言えよ」

「ありがとう」

潤には言えない。

言ったら潤まで不幸になってしまう。

俺の唯一の幸せな時間を自らの手で壊すわけにはいかない。

何事もなく一日の授業を終え、帰ろうと歩いていたら野球ボールが目の前に転がってきた。

「あっ雅紀!ボール取ってー」

潤がこっちに向かって走ってきた。

俺はボールを取り、潤に投げた。

「今日は、早めに部活終わるから一緒に帰ろうぜ」

「わかった、待ってる」

「せいぜい、カッコいい俺でも見てろ」

「うっさいわ」

潤は笑いながらグラウンドへ戻っていった。

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