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第14章 心の鎖 by みきちん

グラウンドで見る潤は普段と違って、本当にカッコよくて。

「ナイスキャッチ、潤!」

思わず叫んでしまった。

潤も笑顔で俺に手を振る。

ドキッとした……

胸が苦しくなった……

息ができない……

そんな様子に気づいたのか慌てて潤が駆け寄ってきた。

「雅紀、大丈夫か?やっぱり朝から体調悪かったんだろ?」

背中を優しく擦ってくれた。

「ごめん、迷惑かけて。たぶん治まるから大丈夫」

「迷惑なんて思わねーよ。保健室行くか?」

「大袈裟だよ、家帰って寝たら治るよ」

「わかった、待ってろ」

潤はグラウンドに戻ると顧問と話をして部室に戻っていった。

それから数分も経たないうちに俺の前に現れた。

「立てるか?」

差し出してくれた手を握りしめるとグッと引っ張られた。

足に力が入らなかった俺はふらついて咄嗟に潤に抱きついてしまった。

潤の息遣いが聞こえる。

潤の心臓の鼓動が響く。

潤の温もりを感じる。

そのすべてが心地よくて……

俺は潤が好きなんだ……

たぶんずっと前から。

その時、脳裏をあの言葉がよぎった。

「しあわせになったらゆるさない」

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