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第19章 たまゆら by のさまじょ&millie
確かに潤の気配を感じたあの日。
俺は感じた気配に問いかけた。
「いるんだよね?そこに…」
虚空を見上げる俺を包む気配。
「潤!潤!そこにいるんでしょ?ねえ、お願い…そこに連れてってよ…」
潤の声が聞こえる…。
『ダメだよ、それは出来ない』
悲しそうな目の潤が首を振る。
周りの木が合わせてその葉を鳴らす。
「じゃあ、俺が…行く!そこに行く!」
より一層大きく揺れる葉。
「潤…逢いたいよ、潤が隣にいないと…俺、ダメなんだよ」
泣く俺を温かいものが包む。
潤に抱き締められているみたいだった。
その気配はやがてなくなり…俺は独りになる。
オレンジが俺たちを染めた日から俺の世界は色を失った。
モノクロの世界。
唯一視えるのは…あの日のオレンジ…。
あのあと何度もその場を訪ねたが次に潤と逢えたのは丁度1年後だった…。
1年に1度、潤と逢うために俺はからっぽのまま、モノクロの街を歩く。
そのためだけに俺はこの世界に縛られる。
「潤…待ってて今、行くから」
そう呟いて今年も潤の眠る場所に脚を向ける。
今度こそ潤が連れていってくれるのを願いながら…。
俺は感じた気配に問いかけた。
「いるんだよね?そこに…」
虚空を見上げる俺を包む気配。
「潤!潤!そこにいるんでしょ?ねえ、お願い…そこに連れてってよ…」
潤の声が聞こえる…。
『ダメだよ、それは出来ない』
悲しそうな目の潤が首を振る。
周りの木が合わせてその葉を鳴らす。
「じゃあ、俺が…行く!そこに行く!」
より一層大きく揺れる葉。
「潤…逢いたいよ、潤が隣にいないと…俺、ダメなんだよ」
泣く俺を温かいものが包む。
潤に抱き締められているみたいだった。
その気配はやがてなくなり…俺は独りになる。
オレンジが俺たちを染めた日から俺の世界は色を失った。
モノクロの世界。
唯一視えるのは…あの日のオレンジ…。
あのあと何度もその場を訪ねたが次に潤と逢えたのは丁度1年後だった…。
1年に1度、潤と逢うために俺はからっぽのまま、モノクロの街を歩く。
そのためだけに俺はこの世界に縛られる。
「潤…待ってて今、行くから」
そう呟いて今年も潤の眠る場所に脚を向ける。
今度こそ潤が連れていってくれるのを願いながら…。