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あなたに精力うばわれちゃいます!

第2章 捲土重来

あの出来事が、スライドショーが再生されたかのように蘇ってくる。
そう言えば、私………高校入ってから嬉しかった出来事がこれといって無い。
仲の良い友達もいるわけではないし。
女の子によくある、ショッピングモールで一緒にお買い物をしたっていうわけでもないし。

「縁ちゃん?」

「あ、ごめんお母さん…」

「……」

私の心の内を察してか、母は私の両手を強く握りしめた。
目の前には、心配そうな表情の母が映る。

「ごめんね。縁ちゃん。わたしなんかの体質を受け継がせちゃって」

「お母さん…?」

「知ってるのよ。いつも男の子が絡んでくるんでしょう?」

「………」

厳密に言うと、『変』な男の子だけどね。

「多輝ちゃんはわたしに似なかったからいいけど、縁ちゃんはわたしとよく似ているから…」

「ああ、多輝姉さん…」

多輝姉さんはどちらかと言うと父の方に似たようだ。
運動は得意な方だと自負していたので、母にはあまり似ていない。

「…また、これからもいろんな災難があると思うけど…」

母が何かぼそっと呟いたようだったが、私には聞こえなかった。

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