あなたに精力うばわれちゃいます!
第2章 捲土重来
男の子が興味津々な顔で私の腕をつかむ。
逃がさない、という心意気なのか、こころなしかつかまれた腕が今まで以上にいたいと感じた。
「……乳首、立ってんじゃん……」
「……っ!?」
先程までとは打って変わって、強気な姿勢に変わる。
驚きの発言に、私も動揺する。
「…保健室で何してたのさ」
「ふ、普通に、寝て…まし…た」
妖しい笑みを浮かべられ、その場に座っていた私の腰が引ける。
この後何をされるのかは、嫌でもわかってしまう。
80%の確率で………いや、ほぼ間違いなく襲ってくる。
「寝ながら…自慰?」
「なんでそうなっ……」
抗議しようとしたその時、男の子の顔が近くにやってくる。
手も明らかに私の胸の方へと近づいている。
私の中で急に恐怖心が襲い、目をぎゅっと瞑った。
「やめろ、相楽。そいつは病人だ」
「…っ!」
「あ………」
隣のカーテン越しから、低く冷淡な声が聞こえてきた。
その水を打ったように落ち着いた声音は、私の中にあった恐怖心を徐々に和らげて行った。