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あなたに精力うばわれちゃいます!

第3章 満身創痍

それに最近、その件が原因なのか…母と父が話しているところをあまり見なくなった。
俺ら子供たちが眠りについた時に、二人きりになったリビングはどうなんだろう、と好奇心で覗いて見たことがあったが、特に喧嘩している様子もなく……
ただ沈黙だけが続いていたのだ。
それも、ただの沈黙ではない。

_______嫌悪感と、懐疑が固まって出来たもの。

そんなとてつもなく居心地の悪い空気が漂っていたのを思い出して、俺はその場で吐きそうになった。

「う…」

「わっ、聖大丈夫?具合でも悪いのか?」

「一瞬めまいがしただけだよ」

「そ、そう…ならよかった」

大げさに夜宵姉はほっとした様子を見せた。
異父姉弟、という関係ながらも…たまたま夜宵姉の器が広かっただけなのか、可愛がってもらえた。
普通の人ではそんな態度取れるはずないだろう。
今考えたって俺は、もしそういう立ち位置だったらまともに会話をすることもない。
半ば他人の奴と一緒に暮らすなんて有り得ない。
…だけど、夜宵姉のお陰で、当時の俺はそんな細かいことも気にせず暮らせていたのだ。

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