あなたに精力うばわれちゃいます!
第3章 満身創痍
_______そう、当時は。
事件が起きたのはその数年後。
俺が中学校2年生上がりたての頃だった。
多少俺も大人になって色付き始めていたのか、当時は自分の部屋に誰にも立ち入らせていなかったことを覚えている。
だからたまに、本能を働かせて…あっち系の漫画や動画もこっそり見たりしていた。
そんな時に、静かだった家の中が急に騒がしくなり始めた。
ドンドンドンドン!!
荒々しく誰かが階段を駆け上がる。
二階には、夜宵姉と小夜姉と俺の三人、1部屋ずつある。
なので、母と父が二階に上がってくるなんて滅多にないだろう。
どうせ夜宵姉と小夜姉が派手に喧嘩して、どちらかがイライラしてて騒がしいだけだ、と思っていた。
「…ねぇ、聖…さとしっ……!開けて…お願い………」
急に部屋の外から泣きそうな声が聞こえてきた。
声の主は…どうやら夜宵姉の方だ。
ああ、やっぱりなーと思いながら俺は勉経机にへばりつきながら答えた。
「また小夜姉と喧嘩でもしたのかー? 早く仲直りしろよ」