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あなたに精力うばわれちゃいます!

第3章 満身創痍


「っ……ちが、う…違うの………あた、しは…………痛っ……!」

「……?」

最後の言葉に疑問を抱いた。
今、「痛い」って言ったか?
…もしかして、今回の件は殴り合いにまでも発展していたのか。それは不味いかもしれない。
なんて言ったって、この家の勃発する乱闘はタダじゃ済まされないのだ。
前にも似たようなことがあって、俺は巻き添えにされてしまったのだが……その時は生き残ることで精一杯だった。
原因は大方小夜姉。
あの人は幼い頃から運動能力に長けており、何をさせても優秀だったがために、喧嘩では夜宵姉より優勢なのだ。
しかも、マジモンになるとゲームのラスボス級のように強くなる。

「夜宵姉、どっか怪我してんの?」

「…っぅ!……け、が……っちゃ怪我だけど…でも違う…と思う…」

「はぁぁ?」

そんな曖昧な回答に、俺は内心イライラもし始めていた。
勉経机にくっついていた俺はとうとう離れ、ドアの前に立った。
中学に入ってから俺は「射精」というものを経験し、恥ずかしいという感情が芽生え始めて以来、家の者は一切入れなかったが…夜宵姉が困っている。

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