あなたに精力うばわれちゃいます!
第3章 満身創痍
「こんなにも酷い状態なのに…癒すも何も……」
「お願い…アンタになら犯されてもいい……例え異父姉弟でも、あたしはアンタのこと1人の異性として見てきたんだよ」
「…はっ?なぁ姉ちゃん…ついに頭おかしくなったのか? …やっぱり父さんのせいなのか。うん……やっぱ俺、一発殴って____」
と、言った時の夜宵姉は悲しそうな顔をしてきて。
まるで飼い主に捨てられ、居場所を無くした犬のような有様で。
懇願するような瞳で俺を見てきた。
夜宵姉は間違いなく、俺を欲しがっている。
だけど、そんな現実を俺は受け入れられない。
「冗談はよせって夜宵姉……か、片親が違うだけであって、俺たち姉弟じゃないか……なんで俺のこと、男として見てるなんて…」
「冗談じゃない!本当なんだ!」
「………」
ついに返す言葉がなくなり、沈黙が場を包む。
こんな時にも何も出来ないなんて、俺は無力だ。
一瞬、夜宵姉の母の顔がよぎり、希望の兆しが……とは思ったが、生憎今は仕事でいない事を忘れていた。
この現状を知ったら、母はどう思うだろうか。
きっと、今の仲よりもっと険悪になって、今の関係をまともに保てなくなりそうだ…。