あなたに精力うばわれちゃいます!
第4章 一意奮闘
「そういえば病人だったな」
私の真っ赤な顔を見かねてか、気づいたように朝霧くんは発言した。
それよりも、まずさっきのこと……朝霧くんは、私の恥ずかしいところをがっつり見ていた。
まさかそんな展開になると知らなかった私は本当に恥ずかしさでいっぱいだ。
…もうまともに顔も見られなくなりそう……。
そんな私とは裏腹に、朝霧くんは何食わぬ顔で保健室の窓の先を見つめていた。
「……」
「どこ見てるの…?」
そう言うと、黙れと言わんばかりの眼力で睨まれる。
なにかに集中するように、ジィっと見つめて、捉えた場所から視点を移さない。
「……堺、いるんだろ」
「えっ?!さ、堺くん!!?どこに!?」
何も無いところを見据えながら、朝霧くんは無表情で言い放った。
だけど、私は周りを見渡しても堺くんの姿はなかった。
なんだ、気のせいなのか…と思いながら、もう一度朝霧くんが見つめているところに目をやると…。
「あっちゃ〜バレちゃった!」
「…うええええ!?なんで!?むぐっ」
「少し黙れ」