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あなたに精力うばわれちゃいます!

第4章 一意奮闘

怒りの混じった声で朝霧くんは私の口を手で抑えた。あ、朝霧くんの匂い…ってそうじゃなくて。
元々いなかった場所から突然堺くんが出てきた!
これって何かのマジックショー!?

「違うよ〜、俺の『力』だよ」

「!?」

私は立て続けにびっくりして、体をびくつかせた。
今…私言葉に出してないのに、心読んだ…?

「ふふふ、びっくりした?」

「…堺、あんまりコイツを驚かせてやるな」

その様子に、堺くんは嬉しそうに着ていた白衣をヒラヒラと弄び始めた。

「驚かせるつもりはなかったんだけどね。ちょっと様子を見に…ね?」

「様子……ってのは、もしかしてこれのことか?」

待ってました、と言わんばかりに朝霧くんは人差し指と中指で《おもちゃ》を摘んで見せつけた。
その瞬間、堺くんの顔が絶望の色に染まる。

「なっ…」

「うわぁぁぁ!!!朝霧くん何見せつけてるの!?」

「このおもちゃについた精力は全部俺が吸い取っておいた。病人に睡眠薬と媚薬まで飲ませて、こんなことするとはお前、かなりヤバイぞ」

朝霧くんは私を無視して話を続けた。
いや…おもちゃについた精力を吸い取る、って言うのもどうかと思うんだけどなぁ…?

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