あなたに精力うばわれちゃいます!
第4章 一意奮闘
「……ぅ…ん…」
苦しそうに寝ている朝霧くんがいた。
私の鼓動は急に高鳴った。
何故ここに、朝霧くんがいるのかということと、苦しそうに寝ているにも関わらず、朝霧くんのことを可愛いと思った自分の気持ちの罪悪感で胸はいっぱいになった。
「(馬鹿っ!私何思って……)」
それよりも、朝霧くんがここにいるということは…もしかしなくても、朝霧くん宅?
でもでも、さっきの話によると、お友達のお家でお世話になってるって言ってたから…
ふと、もう一度朝霧くんの方を見てみると、微かに頬が赤いことに気づき、一つの可能性が浮上してきた。
息遣いも荒い、頬もほんのり赤く、少しこめかみ部分から汗が垂れている。
「…熱?」
一言、発するとそれが魔法の言葉のように体に駆け巡り、『看病』しようと身体が勝手に動いた。
右手が伸びる。
_______ここはきっと朝霧くんのお部屋だ。初めてお邪魔したが、初対面の私が何故かベッドの上にいて、休ませてもらった。
「(何だか、私だけずるいよね…)」