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あなたに精力うばわれちゃいます!

第5章 意気消沈

「君って、もしかして……」

「……?」


こころなしか掴まれている肩に圧迫感を覚えた。
相手が力を入れたのだろう。
そして、距離が異様に近い。
私はその綺麗な瞳吸い込まれそうになる……


「日南、その辺にしておけ」

「えー、なんでだよ。もう少しくらいいいだろ?」


間を割って朝霧くんが入った。
なんとか私も正気を取り戻し、全力で頭を垂れた。
突然会話に入ってきてしまったこと、場を乱してしまったこと、そして朝霧くんの友人__日南くんに何の報告もなく勝手に泊まらせて貰ったこと。

軽く自己紹介も済ませ、これまでに起こったことも私視点から全部話した。


「今日異様に朝霧が弱ってたのって、あいつのせいだったのか。……なんでそんな重要なこと話してくれなかったんだよ!?」

「朝霧くん、話してなかったの!?」


ちなみに、あいつとは堺くんのことである。


「……言う必要なんてない。余計な心配されるのは嫌なんだよ。いざとなれば栄養ドリンクを沢山飲めばいいだけの話だ」


バツが悪そうに朝霧くんは視線を斜め下に落とした。
自分自身でもわかっているはず、栄養ドリンクだけでは補いきれない事を。
自分がそれで、命を落としてしまうかもしれないことを。

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