あなたに精力うばわれちゃいます!
第5章 意気消沈
私は扉越しにその話を聞いてしまったわけで、もうこれ以上、黙っていられることは出来なかった。
「……でよければ」
「水上さん?」
下に俯いて小刻みに震える私を心配してか、隣にいた日南くんが声をかけてくれた。
私はそれを切っ掛けに、面を勢いよく上げ決心した。
「朝霧くん!わ、私でよければ……精力補給して、どうぞ!!!」
言った。
ついに言ってしまった。
どさくさに紛れて、私は朝霧くんの両手をぎゅっと包み込んでいた。
そして私自身でもわかる、身体全体がこれまでに無いほど紅潮している。
顔も絶対真っ赤だ。
「だってよ、あーさーぎーりっ」
「……なっ、」
日南くんに肘鉄を喰らった朝霧くんは、ようやく放心状態から目を覚ました。
「バカなのかお前は。断ったくせに、また自分から承諾して…ふざけるなよ」
「断ってないよ、迷ってただけで…」
「屁理屈言うな。断ったも同然だ、候補から自主的に降りた奴には既に興味なんてない」
違う。これは朝霧くんの優しさだ。
わざと突き放すようなことを言って逃げ道を作ってくれているのだ。
それでも私は、迷わない。
「人の好き嫌いで性行為をするしないと決めつけるより、尊い命を救う方がよっぽど大切だよ」
「……でよければ」
「水上さん?」
下に俯いて小刻みに震える私を心配してか、隣にいた日南くんが声をかけてくれた。
私はそれを切っ掛けに、面を勢いよく上げ決心した。
「朝霧くん!わ、私でよければ……精力補給して、どうぞ!!!」
言った。
ついに言ってしまった。
どさくさに紛れて、私は朝霧くんの両手をぎゅっと包み込んでいた。
そして私自身でもわかる、身体全体がこれまでに無いほど紅潮している。
顔も絶対真っ赤だ。
「だってよ、あーさーぎーりっ」
「……なっ、」
日南くんに肘鉄を喰らった朝霧くんは、ようやく放心状態から目を覚ました。
「バカなのかお前は。断ったくせに、また自分から承諾して…ふざけるなよ」
「断ってないよ、迷ってただけで…」
「屁理屈言うな。断ったも同然だ、候補から自主的に降りた奴には既に興味なんてない」
違う。これは朝霧くんの優しさだ。
わざと突き放すようなことを言って逃げ道を作ってくれているのだ。
それでも私は、迷わない。
「人の好き嫌いで性行為をするしないと決めつけるより、尊い命を救う方がよっぽど大切だよ」