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ペットではなく家族です。

第4章 ケンの場合



ボーイ「お疲れ様でした」

タクミ「お先…」


日の入りと同時
朝方近くに仕事を終え
タクミはほろ酔い気分で家に帰った

毎晩のように女を、お客を抱いていたが
ホテルに泊まらず帰宅したのは
久しぶりだった


タクミ「はぁ、疲れた…」


部屋に入るなり
タクミはカバンを放り投げ
シャツ、ズボンを脱ぎトランクス一枚で
ベッドに倒れ込んだ

仕事終わりは
肉体的にも精神的にもへとへと
何もする気になれず帰宅後はこんな感じ
だった


タクミ「…ケン」

ケン「…」

タクミ「ケン、無視するなって」

ケン「…」

タクミ「ったく、相変わらず愛想のない
犬だな」

ケン「…」


ドーベルマンのオス犬、ケン
ペットショップで衝動買いしてしまい
あれから早4年

家を空ける事が多いからご飯や水
トイレはちゃんとしてる
だけど…


タクミ「ケン、なぁケン」

ケン「…」


にも関わらずケンはタクミを無視する
懐いてないわけではないが
歳の割りに大人で
素っ気ない

可愛いげのない犬だった


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