ペットではなく家族です。
第4章 ケンの場合
タクミ「(小声)店で見る顔じゃないし
新入りのホストか…」
ケン「なぁ」
タクミ「(小声)でも待て…何で新入り
が俺の家に…しかも裸で」
ケン「タクミ」
タクミ「(小声)気安く呼び捨てにする
し何様だよ、あいつ…」
ケン「タクミ」
タクミ「(小声)一体誰だ…」
ケン「丸聞こえだぞ」
タクミ「は」
ケン「俺は耳がいいからな、どんな音も
聞き逃さないんだよ」
タクミ「そうですか、はいはい」
ケン「タクミ」
タクミ「な…何だよ…」
ケン「お前、俺が何者か気づいてないん
だろう」
タクミ「知ってるよ!!」
現状、現段階では
彼が何者かはわかっていない
だけどそれを認めたら彼に負けるような
気になり
知ったかぶりをした
タクミ「あいつだろ?あいつ」
ケン「主人なのに飼い犬の名前も忘れた
のかよ、ボケたのか?」
タクミ「ボケてねえよ!!飼い犬の名前
くらいちゃんと」
ケン「…」
タクミ「まさか…まさかケンか?」
ケン「そうだよ、俺はお前が飼ってる犬
ドーベルマンのケンだよ」
タクミ「お前が?」
ケン「そう」