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ペットではなく家族です。

第4章 ケンの場合



タクミ「おま、お前が…」

ケン「犬の姿もかっこいいけど人間の姿
もかっこいいだろう?」

タクミ「…」

ケン「かっこいいだろう?」


裸のまま
大事な部分を隠す事なく
ヒーローのようなポーズを決めるケン

身長も高く
手足も細く長く
顔は小さく犬歯が光り
そこら辺にいる男より断然かっこいい

だけど認めるわけにはいかない
自分はホスト

自分以外の男を褒める事なんて出来ない
しかも相手が犬のケンなら
ケンなら尚更…


タクミ「…」

ケン「なぁ、タクミってば」

タクミ「俺は嫌い」

ケン「は?タクミ、何言って…」

タクミ「自分の事かっこいいとか聞く奴
俺は嫌いだね、大っ嫌い」

ケン「タクミ…」

タクミ「…」


本心ではない
単なるケンへの嫉妬だった

犬なのに人間の自分よりかっこよくて
生き生きとしていて
輝いていて


タクミ「…」


人間が犬に嫉妬していた


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