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秘密のおとぎ夜話

第4章 【白雪姫】お母様

「私はね」

お妃は堰を切ったように話し出す。

「政略結婚のために、少女のころから性技を教え込まれたわ。

男が喜ぶ技を覚え、処女だけは残してあらゆる快感を叩き込まれた。

その甲斐あって王に嫁ぎ、白雪姫を産んだ。

ところがどうだ、あの姫が娘らしくなる前から、王は姫に夢中になった。

私には見向きもせずに、毎晩自分の娘を犯したのさ。

白雪姫ときたら、王の言葉を真に受けて、すっかり王を受け入れちまったじゃないか。

私はみじめだったよ。男の愛玩物に育て上げられたのに、誰にも見向きもされないなんてねぇ!

白雪姫さえいなければいいのさ!

一生呪いから抜け出せずに眠っていればいい!

ふ…はは、ははは…!!」

しばし聞き入った男たちだが、最後のところで怒りを募らせ、またお妃に詰め寄った。

「あんたは可哀想かもしれないが、白雪姫を葬るのは筋違いだろう!」

「姫を返せ!」
「呪いを解く方法を言え!」

その時一人が言った。

「身体に聞いてみたらどうだ?」


白雪姫を失う悲しみの半分は、下半身の快楽を失うことに対する悲しみである。

なにしろ長年森の奥深くでむさ苦しい暮らしをしてきたところへ、美しく淫らな姫が舞い込んだのだから無理もない。

そんな彼らが、目の前の獲物に飛びかかるのは早かった。

後ろ手に縛り付けられたお妃の、図らずも強調された乳房を目の当たりにしていてはなおさらであった。

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