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秘密のおとぎ夜話

第14章 【赤ずきん】2人のオオカミ 

「ところでさ、赤ずきんちゃんは獲物じゃない。それにさっき口でしてもらうとき、乱暴に出し入れしすぎだよ」
いつものオオカミが西のオオカミに言った。

「え~?でもさぁ、乱暴にしたときも喜んでたじゃん。アソコもきゅうっと締まったんじゃない?ねえ、獲物ちゃん…じゃなくて赤ずきんちゃん?」

「え…」

先ほどの痴態を思い描くだけで、きれいに洗ったばかりの赤ずきんの秘部がきゅんと疼く。
確かにあの狂乱の中では、喉の奥まで大きなモノを受け入れた息苦しさも快感に変わってしまっていた。

「あれ~?いやらしい顔になっちゃって。思い出してコーフンしたんだ?赤、ずきん、ちゃん♪」

抜け目なく赤ずきんの様子に気づいた西のオオカミがからかうように言う。

「わかった、もういいよ!それからやっぱり赤ずきんちゃんの名前呼んじゃだめ!」

いつものオオカミが慌てたように声を上げる。

「おお?なになに、おいらのことわざわざ招いたわりに独占欲だしてくるよね~。これもう『つがい』みたいな気持ちなんじゃん?」

「…!」

黒くて大きな身体がピクリと弾み、灰色の目が赤ずきんを振り向く。

「つがいって…」

たしか動物のカップルのことだよね?と考える赤ずきんに、西のオオカミが注釈を加える。

「オオカミ族はあちこちの獲物に子孫を生ませるのが普通だし獲物も共有するんだけどさ、たまに1対1でずーっと一緒にいるペアができるんだ。
そういうのをおいらたち、つがいって呼んでる。
愛しあっちゃうと他のはいらない的な?」

「あ、いしあっ………ちゃう…」

赤ずきんの視線は自然と西のオオカミを離れ、いつものオオカミの目を探す。

優しい灰色の目を探しあてると、赤ずきんのほほにみるみる血が上った。

「あ~っ!もう、好きにして…」
それを見た西のオオカミがあきれた声で言ったあと、

素早く赤ずきんの背後に回って首筋をなめた。

「ひう!?」

「そーいうことならおいらはあんたのこと諦めるからさ…せめて今日1日は、3人で楽しもう?」

赤ずきんは、たった今心にともった火と、さっきから身体に点いている炎にあぶられて。

どうしようもなく高ぶる自分を感じていた。



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