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コケティッシュ・ドール

第1章 気になる隣人


広田さんに申し訳ないことしちゃったな。

私はぼんやりと天井を見つめ、そんなことを思っていた。

「落ち着いた?」

向かいのソファに座った白川先輩が言った。

「もう大丈夫です…すみません」

「俺は別にいいよ。ただ…」

「はい…」

「一緒にいた、広田さんだっけ?すごい困ってたから、さ」

「………」

「別に責めてる訳じゃないんだ。まあ、男性恐怖症なんだから仕方ないよ。でも、困らせちゃったから、な」

「…はい」

先輩は、「迷惑」という言葉を使わない。

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