テキストサイズ

片思い

第3章 高校生

春高予選まで後10日。いつも週末は必ず来てくれていた佐伯さんが来なかった。

つまんない。


次の日も…



練習終わりにOBの方の会話が耳に飛び込んできた。

「佐伯、イギリス…に行って…よ。」

「留学す……いって…から…。」

「2年……くる…から。」


留学?イギリス?何も言ってなかったじゃん。それも2年。
それに肝心なとこが聞こえなかった。


私に言うことでもないだろうけど、淋しさがこみ上げてきた。

「ハァー」
大きなため息が出る。

『ため息ついてると幸せが逃げてくぞ』

一瞬、佐伯さんの声が聞こえたような気がした。

キョロキョロと見回すがその姿はもちろんなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ