
素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
「まぁ……顔を合わせずらい
気持ちはわからなくもないけどな」
チラッと横目で見ると、
潤は前を向いたままどこか遠い目をしていた。
「でも感謝してんだぜ?俺も和也も」
今度は勝ち誇ったようにニヤっと俺を見て笑った。
まだ俺を……敵視してんのか?
「あの時ガツンと言ってくれなかったら、
俺と和也の今は無かったんだからさ」
「そんな事ないよ。きっかけかもしれなけど、
ちゃんと潤と和也くんは向き合ったんだ」
和也くんは潤を想っていた。
そして潤も、
俺との浮気を疑って怒りをぶつけてきた。
潤と和也くんはすれ違っているだけで、
まだ互いをちゃんと想い合っていた。
だからこそ、2人にはやり直してほしかった。
俺には出来なかった。
俺たちはもう向き合えなかったから……
だからこそ2人の幸せな姿が
羨ましくもあり辛くもある。
『もしかしたら……』なんて
有りもしない未来を想像してしまう。
「で、お前はどーなの?」
「どうって?」
「いい人、いないのかよ。
モテ男の座を譲ってやったんだら、
今は選り取り見取りだろ?」
「さっきからさちょこちょこ自慢してねぇか?」
「自慢じゃねーよ。じ・じ・つ」
「はいはい、そーですか」
潤の言う通り、
離婚後ビックリするくらいにモテる。
告白される事も少なくないが、
心が動かされる事はない。
もちろん付き合えば好きになるかもしれない。
でもそれは……いつになる?
そんな仮定の気持ちで
付き合うことは出来ないし、したくない。
ちゃんと好きになって、
今度は自分から『好きだ』と伝えたい。
でもその日はまだまだ遠い。
俺の気持ちはあの日から変わらない。
ずっと雅紀がいる。
「いい人はいるよ?」
「マジで?誰だよ」
「今から会いに行く人」
「今から?おい、待て……お前」
「ほら、行くぞ」
先を歩く俺は振り返って
仕返しとばかりにニヤリと笑った。
「やっぱり連れていかねぇ!
娘をお前の嫁になんかやるかー!」
でも俺の言葉があながち間違いでもない
出会いがあるとは思いもしなかった。
気持ちはわからなくもないけどな」
チラッと横目で見ると、
潤は前を向いたままどこか遠い目をしていた。
「でも感謝してんだぜ?俺も和也も」
今度は勝ち誇ったようにニヤっと俺を見て笑った。
まだ俺を……敵視してんのか?
「あの時ガツンと言ってくれなかったら、
俺と和也の今は無かったんだからさ」
「そんな事ないよ。きっかけかもしれなけど、
ちゃんと潤と和也くんは向き合ったんだ」
和也くんは潤を想っていた。
そして潤も、
俺との浮気を疑って怒りをぶつけてきた。
潤と和也くんはすれ違っているだけで、
まだ互いをちゃんと想い合っていた。
だからこそ、2人にはやり直してほしかった。
俺には出来なかった。
俺たちはもう向き合えなかったから……
だからこそ2人の幸せな姿が
羨ましくもあり辛くもある。
『もしかしたら……』なんて
有りもしない未来を想像してしまう。
「で、お前はどーなの?」
「どうって?」
「いい人、いないのかよ。
モテ男の座を譲ってやったんだら、
今は選り取り見取りだろ?」
「さっきからさちょこちょこ自慢してねぇか?」
「自慢じゃねーよ。じ・じ・つ」
「はいはい、そーですか」
潤の言う通り、
離婚後ビックリするくらいにモテる。
告白される事も少なくないが、
心が動かされる事はない。
もちろん付き合えば好きになるかもしれない。
でもそれは……いつになる?
そんな仮定の気持ちで
付き合うことは出来ないし、したくない。
ちゃんと好きになって、
今度は自分から『好きだ』と伝えたい。
でもその日はまだまだ遠い。
俺の気持ちはあの日から変わらない。
ずっと雅紀がいる。
「いい人はいるよ?」
「マジで?誰だよ」
「今から会いに行く人」
「今から?おい、待て……お前」
「ほら、行くぞ」
先を歩く俺は振り返って
仕返しとばかりにニヤリと笑った。
「やっぱり連れていかねぇ!
娘をお前の嫁になんかやるかー!」
でも俺の言葉があながち間違いでもない
出会いがあるとは思いもしなかった。
