
素晴らしき世界
第31章 向かい合わせ
「これ、お祝いどーぞ」
ベッドに腰かけている和也くんに、
大野さんがラッピングした袋を差し出した。
「いいんですか?ありがとうございます」
「気を遣わせてすみません」
嬉しそうに封を開ける和也くんの隣で、
潤もプレゼントの中身を覗き込む。
「うわぁ、可愛い」
広げて見せたのは
ちいさな紫と黄色のボーダーの服。
「見て見て!お尻にクマがついてる」
「いいでしょ?
実はそれ、相葉くんに選んでもらったの」
さっき2人の関係を察したつもりだったけど……
いざそれを言葉に出されると、
嫌でも現実と向き合わなきゃいけない。
「ですよね!
大野さんにこんなセンスないですもん」
「おいっ、失礼だぞ」
「ふふっ、すみません。
でも、ありがとうございます」
和也くんのお礼の言葉を聞いて、
照れくさそうに雅紀は笑った。
ピピッ…ピピッ…
『松本さん、赤ちゃんが泣いてるのでいい?』
「はーい、わかりました」
ナースコールに返事をする和也くん。
「あっ、赤ちゃんまだ見てませんよね?」
「うん、まだ見てない」
「たぶんオムツだけだから、
ちょっと待っててくれますか?」
「おう」
「潤、あとはよろしくね」
俺たちにペコっと頭を下げると、
早足で部屋を出ていった。
「すみません、わざわざ見舞いに来てもらって
相葉さんも……ありがとうございます」
2人の頭を下げる潤。
「いや、俺は何も……」
自分の顔の前で手を左右に振って謙遜する。
「ううん、相葉くんがいなきゃ
こんないいプレゼント選べなかったよ」
3人の会話に入れない俺。
そして嫌だと思っていても、
大野さんと雅紀の間にも入れない俺。
そんな俺がここに留まる意味は……ない。
「俺……」
プルルッ…プルル
「すみません、ちょっと失礼します」
俺の声は着信音に消され、
潤はそのまま部屋を出ていってしまった。
ベッドに腰かけている和也くんに、
大野さんがラッピングした袋を差し出した。
「いいんですか?ありがとうございます」
「気を遣わせてすみません」
嬉しそうに封を開ける和也くんの隣で、
潤もプレゼントの中身を覗き込む。
「うわぁ、可愛い」
広げて見せたのは
ちいさな紫と黄色のボーダーの服。
「見て見て!お尻にクマがついてる」
「いいでしょ?
実はそれ、相葉くんに選んでもらったの」
さっき2人の関係を察したつもりだったけど……
いざそれを言葉に出されると、
嫌でも現実と向き合わなきゃいけない。
「ですよね!
大野さんにこんなセンスないですもん」
「おいっ、失礼だぞ」
「ふふっ、すみません。
でも、ありがとうございます」
和也くんのお礼の言葉を聞いて、
照れくさそうに雅紀は笑った。
ピピッ…ピピッ…
『松本さん、赤ちゃんが泣いてるのでいい?』
「はーい、わかりました」
ナースコールに返事をする和也くん。
「あっ、赤ちゃんまだ見てませんよね?」
「うん、まだ見てない」
「たぶんオムツだけだから、
ちょっと待っててくれますか?」
「おう」
「潤、あとはよろしくね」
俺たちにペコっと頭を下げると、
早足で部屋を出ていった。
「すみません、わざわざ見舞いに来てもらって
相葉さんも……ありがとうございます」
2人の頭を下げる潤。
「いや、俺は何も……」
自分の顔の前で手を左右に振って謙遜する。
「ううん、相葉くんがいなきゃ
こんないいプレゼント選べなかったよ」
3人の会話に入れない俺。
そして嫌だと思っていても、
大野さんと雅紀の間にも入れない俺。
そんな俺がここに留まる意味は……ない。
「俺……」
プルルッ…プルル
「すみません、ちょっと失礼します」
俺の声は着信音に消され、
潤はそのまま部屋を出ていってしまった。
