
LIP
第2章 出会い
高校生になって初日。
入学式。
長々しい話と
新しい制服に
ワクワクした。
元々女子校だったが
数年前から共学になったようで
それでも男子より女子の方が
多い。
その方が気楽だ。
男なんてロクなものではない。
女は機嫌を取ればいい。
損ねてもちゃんと対応すれば
問題はない。
私は馬鹿っぽくしてればいい。
こんなことを考えている
16歳とか重いな・・・
友達・・・
できるかな。
そんな思いを
一気に吹き飛ばすように
隣に立っている女子から声をかけられた。
「えっ!あの!
鼻血!出てるよ!」
みゆ「え・・・」
入学式最中、私は鼻血を出した。
新しい制服は血に染まった。
急いで保健室に行き
少し涼しんで
教室に戻る。
入学式は終わっていた。
みゆ「最悪だな・・・
友達作る前に
恥かいちゃった。」
教室に入ると
先生もまだ来ていなく、
女子たちが携帯を持って
アドレス交換して賑わっていた。
クラス40人中、男子は5人。
さっき声をかけてくれた女子が
私の所へ来てくれた。
「大丈夫だった!?
ビックリしたよー(笑)」
その子は小さい身長と
けっこうポッチャリな子だが
つけまつ毛もしていて
バッチリ高校デビューしました。
というイメージだった。
さやか、と名乗り
アドレス交換しようと迫ってきた。
さやか「えっ
みゆちゃん、まだ携帯
無いんだ。」
みゆ「うん。ごめんね。
今月中には買う予定なんだけど。」
父は親らしいことをしてないのに
私が携帯が欲しいというと
父「携帯が欲しいなら
バイトしろ。
バイトで自分で払えるならいいよ。」
まぁわかる。
欲しいなら自分で稼げばイイ。
高校生ならバイトなんていくらでもあるし、入学式がおわって落ち着いたら探す予定だった。
さやか「そっか。
じゃぁ買ったら教えてね!
でさー今日みんなでカラオケ
行くんだけど行かない?」
みゆ「おっ。行く行く♪
皆って誰?」
さやか「わからない(笑)
たぶんクラスの女子の
半分くらいかな。」
友達を作るチャンス。
行かない選択肢なんてなかった。
それにここで行かないと
きっと出遅れてしまう。
鼻血で恥をかいた私は必死だ。
