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第2章 出会い


もう授業なんて頭に入ってこなかった。
教科書の影で携帯をいじり
メールを読んでいた。


その中に1つだけ
気になるメールがあった。


写メ付き。
金髪で肌が白く
いわゆるV系。

【ゆぅ】
おはつ~★
みきちゃん1人なの?
こっち男2人で今日暇なんだけど
みきちゃんも友達誘って4人で遊ばない?
ご飯くらいなら全然いいよ(*^_^*)
市外だけどそっちまで車出すし!
ちなみに20代前半でーす。
OKだったらみきちゃんの写メもほしいなぁ~。


その1通だけのメールが目に止まり休み時間、友達に見せた。


女子「えっ!ちょっと
   めっちゃイケメンなんだけど~!」

  「しかも車持ち!いいなぁ」
  「絶対これで決まり(笑)」


私には分からないが
カナリいいらしい。

正直写メはかっこいいとは思ったが、
「OKならみきちゃんの写メが欲しいなぁ~」
の一文が気になった。


中学のとき、目と目が離れているとイジメられた経験から
自分の顔にはかなり自信がなかった。

それにこの内容から察するに
ブサはお断りだろう。
ブサなら返信してもきっと音信不通になる。

ならいっその事、メール返さなきゃいいんじゃ・・・


そんな事を考えていると
友達の一人のマミが、

マミ「みゆちゃんの恋の
   手助けだぁ★
   あたし今日暇だから一緒に
   行くよ?
   だから返信♪返信♪」

とやけにノリ気だ。
マミのおかしな機嫌の良さに
返信しない選択肢は消えた。

初めて取る
自画取り。

恥ずかしいからトイレで撮ってくる!
とトイレに駆け込んだものの
怖かった。

みゆ「マミあんなに乗り気なのに
   もし返信こなかったら
   どうしよう・・・。」

決死の思い出写メを撮り
そのまま勢いで返信した。


【みき】
メールありがとう。
私はこんな感じだよ。
ブサイクでごめん。
でも友達は可愛いから(笑)
今日OKだったら返事ください。


ドキドキしながら
友達の待つ教室に戻った。

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