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君が書く手紙

第2章 ドナーを探して




なんて言うのかな?



私だけれど私じゃないみたいな。



おかしいよね?



だけどそんな感じ。



一瞬発作かと思ったくらい。



何もせずベッドに座り込んでじっとする。





トクン、





ほら、またきた。






トクン、







何回目だろう。





その不思議な鼓動が鳴り響いた時、
私ははっと我に返った。




「姉ちゃーん、ちょっと買い物付き合ってよ」




気づけば雄輔の声が聞こえていて、
私はパッと立ち上がってドアを開けた。




「あんたねぇ、私今帰ってきたばっかりなのに」



「えー、でも一生のお願いなんだよ〜!彼女のクリスマスプレゼント買うんだから」




クリスマス。



ああそうか、もうそんな季節。



ていうかこの子、彼女なんていたの⁉︎



弟の必死な叫びに観念して、私は上着とカバンをとった。



「しょうがないなぁ。ほら、行こう」



「ありがとう!やっぱ姉ちゃん好き!」



「好きなのは彼女さんでしょうが」


「じゃなくて!ライクライク!」



「はいはい」




きっと必死に考えてもダメだったから
私に助けを求めに来たんだよね?



雄輔はそういうやつ。


いつまでも甘えたな私の弟。




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