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君が書く手紙

第2章 ドナーを探して




買い物を済ませて外に出ると、店内と違って肌寒いことに身体がびっくりする。



家電製品の売り出しのテレビを何気なく目にとめていると、ふっと空を見あげた。


「雪だ・・・」



今年はいつもよりも早めの初雪。


白くて小さい雪が頬に落ちる。



ふわふわ、ふわふわ。



雨と違って喜ばれる雪たちは、
この寒空の中、くるくると綺麗に舞っていく。



ふと、突然頬を熱いものが伝った。



「え・・・」



流れ落ちたのは、一筋の涙。



頬に手を当てると、涙がとめどなくあふれ出した。



「ね、姉ちゃん!?どうした?」



「わかんない。多分大丈夫だと思う。なんでもないよ」




「なんだよそれ・・・」




わからない。



別に泣きたいわけじゃないんだもの。



それなのに胸の奥が熱くなって、涙が止まらないの。




そんな私を見て、祐輔がぽつりと呟いた。




「・・・ドナー」



「え?」



「前に何かのテレビ番組で見たんだよ。心臓移植者の魂が乗り移るってやつ」




ドナー・・・。



私に心臓をくれた人・・・。




思えば、どんな人なんだろう。



女の人?男の人?



若い人?大人の人?




何もわからない。



だって、そういう決まりなんだもの。



私はドナー提供者のことを知らない。



知ってはいけないのよ。




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