ヤキモチ妬きの彼氏君。
第1章 *ヤキモチpart1
ああ、もう。
逃げ道が無い。
「麻美、もう考えごとは終わった?」
その問いに思わず、冷や汗が流れる。
「ご、ごめん。陸。私は今日は塾だから、もう帰らないと」
「何言ってるの?塾なんて麻美は入ってないじゃん」
「………」
馬鹿だ。私。
パニックになりすぎて、陸が分かるような嘘を言ってしまった。
「まあ例え何か用事があろうと、俺は麻美にお仕置きするつもりだから」
「ん?陸、頭大丈夫?今時お仕置きなんてノーセンスな言葉を使う人なんて、この世に存在しないんだよ。はい、だからお仕置きは無し。私は何も悪いことしてないし」