琥珀荘の奇妙な住人達
第2章 親睦会とはごく稀に主役を傷つける。
「そーいや、真冬。お前住人全員に挨拶したのか?」
渚の唐突な質問。タメ口……。
(駄目だ真冬、入りたての新人が歯向かうとか…俺が常識知らずになってしまう。)
「いいえ、まだしてませんけど…?」
ふるふるとしている拳を隠しながら言っていれば、それに気がついたのか駿さんがこっそりと耳打ちしてきた。
「渚は、失礼で常識知らずなんだけど……根は良い奴だから、許してやってくれないかな?」
少し唇を少し噛みながら申し訳なさそうに言ってくる駿さん。
「……大丈夫ですよ、気にしてませんから」
笑顔で返せば、「なら良かった。」と安心したような微笑みを返してくれた。
本当は結構怒ってたけど、仕方ない。駿さんの顔に免じて許してやろう。
「挨拶してないなら、いつものアレ。やろっか。」
笑顔で人差し指を立てながらそう言ったのは葵さん。
「いつものアレ?……って何ですか?」
「まぁまぁ。とりあえずやってみれば分かるよ。あ、そうだ。真冬君の部屋借りるね?」
そう言って有無を聞かずに葵さんと渚が部屋へと入ってくる。
「えっ?!ちょ?!ま、待って下さい!!」
すると渚が慌てる俺を見てニヤニヤと笑い
「なんだよ、見られたくねぇ本でもあんのか?」
(無ぇよそんなの!!……あ、でも…一冊ギリギリラインのが…って違う違う!!)
(脳内で何言い訳してんだ俺!!)
「そうなの?大丈夫だよ。見つけても何も言わないからさ。」
何で俺がエロ本隠してます。みたいな雰囲気になってんの?!無いですってば!!?
「そんな本、ありませんって…ああぁぁああ!!?ちょっとおおぉぉぉ!!」
俺の必死の抵抗と否定も虚しく、二人にいとも簡単に部屋に入られてしまった。
_______
背後で真冬達を静かに見つめる駿。
「騒がしい人間だな……さて、俺はあと残りを呼ぶか。」
そう呟き、彼は屋根の影へと入る。
「琥珀荘の中に初めて入ってきた特別な人間。嗚呼……これから面白くなりそうだ。」
ニヤリと妖艶に微笑む彼の姿はどこか…
とても人間じみては無かった。
渚の唐突な質問。タメ口……。
(駄目だ真冬、入りたての新人が歯向かうとか…俺が常識知らずになってしまう。)
「いいえ、まだしてませんけど…?」
ふるふるとしている拳を隠しながら言っていれば、それに気がついたのか駿さんがこっそりと耳打ちしてきた。
「渚は、失礼で常識知らずなんだけど……根は良い奴だから、許してやってくれないかな?」
少し唇を少し噛みながら申し訳なさそうに言ってくる駿さん。
「……大丈夫ですよ、気にしてませんから」
笑顔で返せば、「なら良かった。」と安心したような微笑みを返してくれた。
本当は結構怒ってたけど、仕方ない。駿さんの顔に免じて許してやろう。
「挨拶してないなら、いつものアレ。やろっか。」
笑顔で人差し指を立てながらそう言ったのは葵さん。
「いつものアレ?……って何ですか?」
「まぁまぁ。とりあえずやってみれば分かるよ。あ、そうだ。真冬君の部屋借りるね?」
そう言って有無を聞かずに葵さんと渚が部屋へと入ってくる。
「えっ?!ちょ?!ま、待って下さい!!」
すると渚が慌てる俺を見てニヤニヤと笑い
「なんだよ、見られたくねぇ本でもあんのか?」
(無ぇよそんなの!!……あ、でも…一冊ギリギリラインのが…って違う違う!!)
(脳内で何言い訳してんだ俺!!)
「そうなの?大丈夫だよ。見つけても何も言わないからさ。」
何で俺がエロ本隠してます。みたいな雰囲気になってんの?!無いですってば!!?
「そんな本、ありませんって…ああぁぁああ!!?ちょっとおおぉぉぉ!!」
俺の必死の抵抗と否定も虚しく、二人にいとも簡単に部屋に入られてしまった。
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背後で真冬達を静かに見つめる駿。
「騒がしい人間だな……さて、俺はあと残りを呼ぶか。」
そう呟き、彼は屋根の影へと入る。
「琥珀荘の中に初めて入ってきた特別な人間。嗚呼……これから面白くなりそうだ。」
ニヤリと妖艶に微笑む彼の姿はどこか…
とても人間じみては無かった。