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キミが欲しい。

第7章 stage7〜惹かれ愛、迷い愛〜

『は、はい。よろしくお願いします。』


ぎこちない挨拶を交わした後、熱を測るか勧められたが断った

瑠璃はまだ片付いていないからと保健室をバタバタと後にした


『可愛かったなぁ。瑠璃先生』

ゴロゴロ寝返りを打つ


窓側の方を見るとカーテンの隙間から外が見えた


あの桜の木に通じる渡り廊下だ


ゆらゆらと揺れる布一枚のその向こうで直樹の姿が見えた


『あっ、直樹くん..』

いつもの場所へ向かう途中なのだろうか


ドキドキー


心臓が急にうるさい

あんなことの後でも体は反応する

泣き出しそうな目を思い出すと胸は苦しくなるけど..


フワっと風に揺れ、カーテンによって直樹の姿が一瞬隠れる


急な風に閉じていた目をそっと開く

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