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キミが欲しい。

第8章 stage8〜小悪魔なアイショウ〜

「ひ..なの?」

目を細めながら確認してくるその姿はまさしく直樹


「何、どうしたの?」

気まずそうだけどそれでも一生懸命笑っていた


焦り、愛おしさ、切なさ


そんなもの全部引っくるめて


ぎゅうー


「えっ?何々?どうした⁈」


ひなのが強く強く抱きしめる


『お願い。そのまま聞いて!』

心臓がバクバクする

『あたし..恋愛したことなくてどう言っていいか分からないし、正直直樹くんといきなりエッチしちゃってとまどったの。』


『でも、触られるのは..』

瑠璃との場面を見た時、健に告白された時

締め付けられる様に感じた鼓動は直樹への思い


『直樹くんがいいって思っちゃったの。』


怖くて、顔があげられない

今のあたしは面倒くさい女だろうな..


そっと直樹を見上げる


「はぁ。」


直樹は片手で目の辺りを隠しながらため息をついていた
その隙間から見える横顔は耳まで赤かった


「まぢでやばい。今見ないで。」

そっと直樹の手を顔から外す


照れて赤い顔の直樹と目が合う


「見んなって言ったのに..。」


ドキー
こんなに愛おしいと思ってしまう


「朝、まぢでごめん。嫉妬にまかせてヤるなんてまぢガキだった。」


直樹はそっとひなのを抱きしめ返す


「こんなんじゃひなのに釣り合わないって思った。」


また泣き出しそうな瞳の奥にひなのを映す


『好きって言って。』


自然と言葉が出た

恋愛を知らない、こんなダメなあたしを好きだと言って抱いてくれた

そんなあなたに惹かれてしまった




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