
ツインテールの君
第1章 聖夜の宴のデザートは?
適度な弾力、それを愛でる度に濡れた唇からこぼれる悲鳴。
生理的な欲求が、ただただ國佳を突き動かして、すみれをシーツに縫いとめさせた。
「國佳さんっ……すみれっ……」
「なぁに?」
「なぁに、じゃ、ありません!」
キス、…………。
か細い声が、僅かな怒りを含んだ。
「良いじゃない。すみれちゃんほど可愛ければ、別に初めてじゃないでしょう?」
「初──…、……。デザート……デザートいただきましょぉ……っっ」
潤んだ瞳が國佳を見上げた。
犀利な頰に、困憊の色の花びらが浮かぶ。
「デザートを、いただいて下さいって?」
「ぁっ」
國佳はすみれの両手首に手近なリボンを何重にも巻きつけて、蝶々結びの羽根を固く結んだ。
「確かにホイップクリームは残っているわ。さっきのケーキに使ったものが、冷蔵庫にね」
「ひぅっ、あっ……」
恋愛経験はまるきりない。
いわゆる淫らごとを楽しむだけの友人がいたこともない。
そのくせ國佳は、ロリィタ服の扱いにおいてはプロ級だ。
ブラウスの前身頃をはだき、ドロワーズをずり下ろし、みるみるすみれを下着姿に剥いてゆく。
この極上に愛らしい少女を、今夜スポンジケーキの代用に望んでも、誰にも咎められまい。
見ていた限り、すみれは雛子と、アリス達のような間柄というわけでもなさそうだった。
