ツインテールの君
第2章 えろかわ。
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國佳がすみれに準備していた日頃の感謝は、デコレーションケーキだ。
今夜はクッキーがある。
別のものを準備しておくべきだったか、僅かな無念が國佳の胸を掠めたが、ケーキと言えど、ありきたりなそれではない。
…──自由に妄想を楽しんでいるところを見せて欲しいわ。
花井の激励も補翼して、國佳は冷蔵庫で冷やしていた生クリームを、安心して泡立てた。
「何で社長さんがぁっ……せり子さんまで!」
「はいはい。すみれちゃん、前、隠しても無駄よ。すみれちゃんのクマさんが焼き上がるまで、皆で美味しいオードブルをいただきましょうね」
「まぁ。こんな着こなし方もあったのね。明日本社に報告出来るわ」
トレイにあれこれ乗せた國佳がリビングに戻ると、狼の寝ぐらに放り込まれた子兎が、腕をはだかれ身体のあちこちを検分されていた。きららかな黒い双眸は、涙目だ。
「なるほど、社長分かっていらしたんですね。……乗った。すみれちゃんなら可愛がり甲斐あるし、私、今フリーだし」
「更級さんは、顔に出やすいの。おまけに私があの話をしたでしょう?桃兎さんが見えた時、もしかしたらと思ったわ」
「何の話ですか?!社長さんとせり子さんの話が読めませ……ひゃあぅっ、國佳様っ、助けて!」
エプロン一枚つけただけのすみれの身体は、丸裸も同然だ。
肩紐のフリルや胸当ての装飾をチェックしていた花井の手が、次第にすみれのたぐいない果実に執心し出す。
その傍らで、せりはがすみれの足許に膝をつき、露出した下半身に手のひらを這わせながら観賞していた。