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ツインテールの君

第3章 Decoration cake princess






「ねぇ、すみれちゃん?私、こんなにたくさんの生クリームを使っても、まだ残りがあるの」

「本当にたくさん届いたんですねぇ」

「週明けはケーキを作ろうと思っているのだけれど、私、クリームを塗るのが苦手なの」

「週明けっていつですか?すみれお料理よくしますから、お手伝いに行きますよ」

「本当?」


 國佳は、携帯電話を洗面器に片付ける。代わりにヘラを手に取った。


 満足のいく写真は十分、撮れた。

 ここからが本当の楽しみだ。



「すみれちゃん」

「わわ、何ですか、そのヘラっ」


 國佳は身を乗り出して、すみれの肩に唇を寄せる。


 乳製品独特の甘い匂いが胸に染み通ってきた。


 北海道産純生クリームを大量にホイップした時、既に國佳は、この匂いに食傷していた。されどすみれの汗がしみた今、きっと食べ尽くしても足りまい。


 柔らかな肩から純生クリームを舐めとった。

 練乳に執心していた唇から、得も言われぬ声がこぼれた。


「ぁひゃっ、くすぐ、たい、です……國佳様ぁ」


 國佳は、たわむすみれの胸の谷間にヘラの先を差し込んだ。


 ひゃうっ…………


 小さくも甘やかな悲鳴が國佳をそそる。


 國佳はヘラを無意味に動かしながら、黒目を動かす。

 すみれの綺麗な双眸に、身も心も捕らわれてゆく。

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