ツインテールの君
第3章 Decoration cake princess
熱を含んだ浴場の蒸気が、純生クリームを溶かし出していた。
國佳はすみれの身体を浴槽中央、女神の像を支える台座に移した。
「すみれはスポンジケーキじゃありません」
「今夜はツンデレ?すみれちゃんってば、お風呂に来た時点で、こういうこと了承済みだったくせに」
「普通、お風呂でこんなことしません!ふゃっ……」
國佳は、ヘラですみれの乳房をいじくり、純生クリームを塗りつけてゆく。
実際のスポンジケーキとは違う。感じやすく柔らかで、適度な弾力を帯びた練習台は、國佳が調理を進めた分だけ、スイーツにも優る吐息が利き手の甲をくすぐる。
「はっ……やん、こんな、ぁんっ、こんなの練習になりませっ……んっ……」
「とっても練習になるわ。それよりどうしたの?すみれちゃん、そんなに色っぽい声、いつもと調子が違うわよ」
くりくりっ、ぷぅぅ…………
人差し指だけ握り手から離して、國佳は丘陵の頂をつついた。
すみれの二つのサーモンピンクが、國佳の指の腹の下で、不自然な質感になっていた。
「ひぃっ……んん」
「あらあら、すみれちゃんのお豆さん、こんなに硬くて皺くちゃだったかしら?こうすると……まるで意思を持っているみたいだわ」
「やっ……ぁぁ、やだっ、押さっ……押さないでぇっっ……」
「國佳。ブラ、どこまで厚くするつもり?」
「そうね」
吸いつくようなコットンパールを生クリームの下着に戻して、國佳はヘラを脇に置いた。