
不透明な男
第1章 記憶の無い男
ちょ…ちょっとまってくれ
わからない事だらけなんですけど。
なにがなんだかさっぱり分からない。
頭で整理したいのに男の刺激が邪魔をする。
智「んふ…ぅ…」
頭が痺れる。
手の指先まで痺れてくる。
智「んぅ…! んっ」
俺の口内を掻き回す。
その舌が俺の舌を絡めとってくる。
逃げても逃げても追い付かれる。
智「ぷは…っ…んんぅ…!」
苦しくて口を開けて呼吸をする。
でもすぐに塞がれる。
ちょ…
マジでしぬ。
男は荒々しく深いキスを繰り返す。
いつの間にか仰向けになった俺の頭を鷲掴みにしている。
頭を掴んでいる手は力強いのに、頬に触れた手は相反して優しく添えられている。
智「は…っ…ん…」
ほんとに謝らす気あんのかコイツ…
しゃべれないだろ…
