不透明な男
第6章 暖と冷
翔の懐は温かくふわふわと揺らされる。
酒の効果と日々の睡眠不足も手伝ったのか途端に睡魔が襲う。
懐に預けた後頭部を体と共にひっくり返す。
そうして翔の胸にぴたっと張り付くと、肘を曲げて服にきゅっとしがみつく。
俺の目の前にある翔の首の付け根がぼやけてくる。
智「う…ん…」
翔「…智くん?」
瞼が重い。
翔「あ、あれ?」
智「翔くん…おれ…」
目が閉じる。
翔「まさか…」
智「ねむい…」
体から力が抜ける。
智「すぴー」
翔「やっぱり…」
気持ちいいな…
体がふわふわする。おれの頭もふわふわしてる。
あったかい…
翔「どんだけキュートなんだよ…」
翔の声が小さく頭に響く。
俺はふわふわしたまま眠りについた。