不透明な男
第7章 違和感
潤の言う道を辿って行くと小さなマンションに着いた。
智「…ここ?」
潤「うん」
俺は小さなマンションを見上げる。
少し、いやかなり、どきどきしていた。
和「暗証番号いるじゃん」
俺達は玄関で阻まれた。
智「そんなの覚えてないよ…」
雅「だよね…」
潤「1126」
和「そんなのも知ってんのかよ」
潤「や、知らないけど、智の頭ならこれが精一杯でしょ」
智「へ?」
潤「誕生日位しか思い付かないでしょ?」
潤は、俺の産まれた日を知っていた。
他の誰も知らなかった事が、潤の口からは何故かよく出る。
和「誕生日…」
潤「まさかそれも忘れてたの?」
智「うん…」
雅「とりあえずそれ入力してみようよ」
マンションの玄関が開いた。