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不透明な男

第7章 違和感


潤『智…!やめろ!』

『お前の相手はコッチだよ』


潤は男に阻まれる。
阻んでくる男に『どけよ!』と殴りかかる。
相手が図体のデカい男2人と分が悪く、逆に掴まれ殴り合いになる。


智『んん…』


喧騒に混ざって俺の甘い声が聞こえる。
俺を助けたいのに、潤は掴まれ辿り着けない。

潤を囲んでいた内の1人はなんとか倒した。
相手はあと1人になったが、潤は既に馬乗りになられ、男に殴られ意識が朦朧としていた。




ふと、潤の目の前が開ける。

先程まで潤の上にいた筈の男が急に消えた。


潤『…あ?』


潤は体を起こし周りを見る。


潤『え…なに…』


デカい男が4人、転がっていた。
潤が倒した1人と、後の3人。

その真ん中には子ウサギが立っていた。

ニコッと笑いながら潤に駆け寄る子ウサギ。


智『潤』

潤『え…どういう事…』

智『大丈夫? 血、出てる』

潤『あ、ああ。それは大丈夫だけど…』

智『なに?』


俺は、きょとんと小首を傾げながら潤を見た。


潤『や、あの、これは一体…?』

智『あんまりしゃべると痛くなるよ?』

潤『や、だってこれ…痛っ』

智『ほら。ふふ…』




結局俺は何があったか教えなかったそうだ。

でも、あの短時間で男が3人伸びたんだ、他の奴が助けに入る時間なんて無かった。と潤は話した。




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