
不透明な男
第1章 記憶の無い男
男「智…お前を、俺の、俺だけのものにしたかったんだ…。」
智「ん…っ」
体が波打つ。
背中がしなる。
腹の中心まで来た舌は、唇を使って俺の臍を愛撫する。
臍の周りを唇でふわりと囲むと、少し吸い上げ臍の窪みに舌を差し込んでくる。
お…おいおい
腹だぞ?ヘソだぞ?
なのになんでこんな…身体の中心が熱くなるんだ…
あぁ…腹の中から何か熱いものが沸き上がってくる感じがする…
ゾクゾクするのに額にはうっすらと汗が滲んでいた。
智「あ…んんっ」
男「もっと早くこうしてればよかった…」
智「んっ…ふ」
男「無理矢理にでも、お前を…」
智「あっ、あ…や…やめっ」
男の手が俺の下腹部に触れる。
智「!」
一際大きく身体が跳ねた。
智「は…っ…ぅう…だ、だめだっ…て」
男「嫌だね。」
悲しそうな顔で俺を見る。
