
不透明な男
第1章 記憶の無い男
は…ぁ…
なんなんだ。
いよいよマジでやばいかも…
これって…危機だよね?
ど、どうしよう…
男「やっとお前とこうなれたんだ。もう遠慮はしない。」
智「や…なんだよ…それ…っ」
男「お前が俺を覚えていなくても、お前はお前だ。お前は、俺の知ってる智なんだよ。」
智「お、おれと…あなたの関係…って…っんぅ」
智「はぁ…はぁ…っ な、なんなの?」
男「関係?」
さっきから俺の、…俺自身を執拗に触ってくる。
きゅっと掴んでは親指の腹で先端を捏くり回す。
智「あ…あ、だめ、はなし…て…っ」
男「お前は俺の… 俺が、手に入れたくてどうしようもなかった奴だ。」
血液が集まり熱く膨れ上がるのがわかる。
熱を持って硬くなった俺の塊を男の手がゆっくりと擦り上げる。
智「んっ、ん…ふ…」
自由になった片手で男の手を払おうとする。
でも、震えている俺の手は力が入らずかろうじて男の手首を握る事が出来ただけだった。
男「あぁ…可愛いよ…智。」
俺を擦る手に力が籠る。
動きを増す男の手に耐えようと、俺はぎゅっと目を瞑る。
男「記憶のないお前にこんな事しても仕方ないって分かってる…。でも、もう止められないんだよ…。」
智「んん…っ」
男「あぁ…好きだよ、智。俺の事、思い出せよ…。」
手が離れる。
ほっとしたのも束の間、俺の頬を包みキスをする。
俺は薄く目を開けて男を見た。
男の頬が濡れている事に驚いて食い縛った口許が緩む。
その隙間を熱い舌が割って侵入してくる。
智「ん…ん、ぅ…」
男「どうして忘れたんだ…。思い出せよ…。」
男の手が胸をまさぐる。
熱い舌は俺の舌をきつく吸い上げる。
