不透明な男
第8章 序章
智「ねぇ…、なんなのこの家。倉庫?」
東「いつもの如く引っ越したんだよ」
智「いいかげんちゃんとしなよ。もう40歳なんだから(笑)」
東「もう無理だよ(笑)」
俺は、ごちゃごちゃした部屋のくたびれたソファーに座らされていた。
東「それはそうと、体の調子はどうなんだ」
智「体?」
東「もう薬切れてるだろ?無くても寝られる様になったのか?」
先生はそう言うと俺の顔をじっと見つめる。
東「…まだ寝られてなさそうだな」
智「じゃ、やっぱりあの睡眠薬は先生が…?」
東「今更何を…、俺が闇医者だからお前は助かってるんだぞ」
智「それ(笑) 一体いつからやってんの?俺と出会った3年前は既に闇だったよね(笑)」
東「は…?」
先生は俺をまじまじと見てくる。
智「え…なに」
東「…確かに、3年前は既に闇だったが」
智「え、うん」
東「お前…、まさか、また…か?」
智「へ?」
何が?ときょとんとする俺を、先生は間近にいるにも関わらず目を凝らして見て来た。
え、なに?
おれ、何かヘンな事言った?