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不透明な男

第1章 記憶の無い男


智「ん…んぅっ…は…あ、あっ」


男は執拗に俺にしゃぶりついてくる。

俺の思考回路は切断寸前だ。
でも考えなきゃいけない。
この男に呑み込まれる訳にはいかないんだ。

だらしなく半開きになっている口許を食い縛る。
あがった顎を沈み込ませ横を向いて刺激に耐える。

目をぎゅっと瞑り、眉間の皺は寄ったまま腕を伸ばして男の頭を掴む。


智「ん…っ、く、や…やめ…は、あぁっ…」


折角歯を食い縛ったのに口を開いた途端、甘い息が漏れた。


男「ん…? ふ、…ふふっ」


薄く目を開いて男を見る。



コイツ…

笑ってやがる…

なんだってそんな嬉しそうな顔でおれを見るんだよ…

やめろって言ってんじゃねーか

もう身体が…おかしくなりそうなんだよ…



甘く漏れた息を聞いた男はニヤリと笑うと、頭の振りを早めた。


智「…っ!」



あぁ…

また顎があがっちまった…



男の頭を押さえた両手は震え、背中はしなり、あがった顎からは滴が垂れる。

それが汗なのか、息を付く暇もなくて溢れた唾液なのかは分からないが、男の指がその滴をそっと拭う。


男「やらしいな…智。」


男はふふっと笑うと俺を見下ろしながら指に付いた滴を舐める。


智「はぁ…はぁ…っ、や、やらしいって…な、んぅっ」


途端男の頭が視界から消えた。
と、思ったら
俺を勢いよく吸い上げる。


智「あ…っ!あ、はぅっ…!」


じゅぶじゅぶと卑猥な水音が下腹部から聞こえてくる。
男の頭が視界から出たり入ったりする。

深く浅く暖急を付けてしゃぶる。
口内で舌をまとわりつかせ、俺を捻り上げるように吸い上げる。
根本を掴まれ先端に舌を押し付ける。
先端の小さな割れ目を擽るように舌でなぞる。

手では俺をゆるゆると扱き、塊に付いた男の唾液を全て拭いとるかのようにざらついた舌でぐるりと舐めとる。


智「あっあ…も、ほんとに…っう、だ、だめ…っ」


俺の背中は浮き上がり、熱い塊がビクビクと震えるのがわかる。


男「いいよ智、我慢するな…。」


頭がおかしくなるようないやらしい水音を立てて俺を激しく追い詰める。
グッと大きくなった俺を、きつく、吸い上げた。


智「あ…ぁっあぁ…っく…」





目の前が真っ白になった。
















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