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不透明な男

第8章 序章


やばい、また泣いてると思われると、俺は潤んだ瞳を瞼で閉じて隠した。


兄「温かいか?」

智「うん、きもちいい…」


だからなんで今だよ、さっき言えよと、また松兄ぃは笑った。


智「…ずっと思ってたんだけど」

兄「なんだ?」

智「松兄ぃって変態だよね」

兄「…あ?」


は?何処が変態なんだ俺は変態なんかじゃねえと、松兄ぃが突っかかる。


智「Sって言うかさ…、なんか、目が輝くよね(笑)」

兄「お前がさせてるんだ。俺の意思じゃない」

智「ええ?」

兄「ほら、洗うぞ」


背中を向けようと松兄ぃから少し離れた。
その俺の足を松兄はぐいっと持ち上げた。


智「わわ…っ」

兄「俺の首に手を回せ」

智「え…、は、恥ずかしいよ」


松兄ぃに向かい合ったまま、片足を持ち上げられる。
斜めに反った上体のせいで、俺の下半身は丸見えになっていた。


智「ん…ぅっ」


松兄ぃがぐぐっと指を差し込んでくる。
俺は思わず松兄ぃの肩に片手を回した。
もう片方の手は俺の足を引っ掛けた腕を掴んだ。


兄「ほら、ふらつくぞ」

智「ん、こ、こんな格好させるからだよ…っ」


ぐるぐると俺の中をかき混ぜる。
洗っているだけなのに、その刺激に体温が上がりそうで恥ずかしかった。


智「もっ、もういい?」

兄「まだだよ。じっとして…」

智「ま、松に、深すぎ…るよ…っ」


ヘンな声が出そうで耐えるのに必死だった。
ぐるぐると回る指が、俺の跳ねる場所を霞って行く。
跳ねない様に、落ち着きを保つのが大変だ。


智「…っ、」


俺は、ぎゅっと目を瞑って耐える。


智「い、入れすぎだっ…て」


俺は背中を壁に預けると、松兄ぃの肩と腕を掴む手に力が篭る。

身体を支える片足が、気付かないうちに少し震えていた。




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