
不透明な男
第1章 記憶の無い男
智「んっ…う…!」
男の指がツプっと俺の中に入ってきた。
や…
やばい…
これって…ひょっとして…
おれ、ヤラれちゃうんじゃ…
智「…っく、はっあっ」
目を開けていられない。
味わったことの無い感覚が俺を恐怖で襲う。
シーツを掴んだ手はブルブルと震えて、拳の関節が白く浮き出ている。
男「怖いのか…?」
智「う…っく…」
男「お前でも怖いものがあるのか…。」
智「…はっ…ん」
男「大丈夫だよ。優しくする…。」
男は俺の頭を優しく撫でながら背中にキスを落とす。
指は俺の蕾を押し拡げるようにゆっくりと動く。
いけない。
俺の中で蠢く怪しい感覚に支配されてしまいそうだ。
優しく俺の頭を撫でる手に、惑わされる寸前だ。
朦朧とする頭を奮い立たせ、口を開く。
智「おれを…どうする…つもり…っ」
男「…抱くんだよ。」
智「え…」
男「俺のものにする…。」
智「…っ、本気で…言って…っ」
男「あたりまえだ。」
俺の背中に跡を残すようにきつく吸う。
緩やかに動いていた指が激しさを増してくる。
智「あ…っ、だ、だめだよ…っ」
否定の言葉を発すると、動きは更に激しくなる。
俺の中の内壁を擦るように指が動く。
唇は尾骨のあたりに吸い付き、頭を撫でていた手は前に回り垂れ下がる俺のものを包み込む。
後ろのなんとも言えない感覚に加え、熱い掌の熱が伝わり、俺のものはみるみる内に硬さを増していった。
