不透明な男
第1章 記憶の無い男
へ?
え なにその声…
なんか…すげーやらしい…
「…はぁ… 本当に綺麗だな…」
違う声が聞こえる。
もひとりいるのかな…
男か…?
だれの声なんだろう…
「んぁ…っ」
誰かが俺の髪を撫でる。
首もとがふんわりあったかくなる。
誰かが俺の首に顔を埋めてきたせいだ。
「気がついたか…?」
誰かが話す。
いや、
おれに話しかけてる…?
俺の耳元から直に脳にその声は伝わる。
熱い吐息が俺の脳を擽る。
「んん…ふ…」
だからその声やめろ
エロいんだって…
てか、これも男の声だよな…?