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不透明な男

第12章 惑乱


和「俺の、心配してくれてたの…?」

智「当たり前でしょ」


俯いた顔から目だけを俺にチロッと向けてニノは言う。
指先なんて弄りやがって。
照れてる場合じゃ無いんだぞ?マジで危ないんだからな?
分かってるのかコイツ。


和「そんな…、心配だったらさ、なんでもっと来てくれないんだよ。何かあったらどうすんのよ」

智「大丈夫だよ。アイツら金曜しか来ないもん」

潤「え?」

智「しかも隔週のね」

雅「あ…、だから大ちゃん最近金曜なの?」

和「なんでそんなの分かるの…」

智「おれは何でも分かるの」

潤「ふうん…?」


皆が怪しそうに俺を見る。
だけどそれくらいいだろう。勘が働いたという事にしておこう。
アイツらを不信に思って探っていたなんて、ストーカー呼ばわりされかねない。


潤「最近ヤバそうって…、そんなのも分かるの?」

智「ん。だから今日は俺が送ってくよ」

和「ほんと!?」


うわーい、やったあじゃねえんだって。
もっと危機感を持て。


雅「じゃっ、じゃあ、俺も行く!」

智「相葉ちゃんは店あるでしょ」

雅「だって心配だもん!それに、いくら大ちゃんが強いって言ったって相手は二人だよ?」

潤「俺も行くよ。閉店まで付き合うから」

雅「うん!ありがと!」

和「えええ…」


せっかく大野さんと二人で帰れると思ったのになんだよとニノが相葉ちゃんを睨んだ。
そんな相葉ちゃんが少し情けない顔をしながら、だって心配なんだよと、小さく呟いたのを俺は見逃さなかった。


智「ふふ、分かりやすいな…」

雅「なっなにが」

潤「単純だからなあ」

和「ん?」



だからお前は周りを見ろと言ってるだろ。

いや、口に出しては言ってないのか。

だけど普段鋭いのになんで気付かないんだ。



全くコイツは、世話が妬けるな





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