
不透明な男
第12章 惑乱
ふあああ、気持ちいい
俺は立ちションしていた。
ちょっと呑みすぎたらしい。
智「…見んなよ。ニノんとこ行っといて」
潤「相葉ちゃんと一緒に自販機行った。コーヒー買ってくるって」
智「駄目だよ、目、離したら。アイツら見た目は爽やかだけど結構ゲスいんだから」
なんでそんなの分かるんだよと不信がる潤を引き連れて急いで自販機に向かう。
すると。
ぽーーーーん ドサッ
相葉ちゃんが降ってきた。
潤「えっ、相葉ちゃん!?どっ、どうしたの」
智「ニノは…?」
雅「ちきしょ…、ニノ!」
相葉ちゃんが自販機の向こうにある角に向かって走り出す。
智「待って!相葉ちゃんはここにいて」
潤「ニノ!」
智「お前も駄目だって!」
潤「だって!」
智「顔、怪我したらどうすんだよ。相葉ちゃん、潤を見張ってて」
ニノを助けたくてウズウズする二人に、役割を与えなきゃいけないなと、俺は一言残した。
智「すぐニノを放り投げるから、きちんと受け止めてあげてね?」
雅「わ、わかった!」
俺は素早く、そして静かにニノの声が聞こえる角に向かう。
角からそっと顔を出すと、二人組の男に羽交い締めされるニノが目に入った。
智「なにしてんの?」
「あ?」
智「駄目だよソイツ。男に興味無いんだ」
「だから教えてやろうと思ってんだよ」
智「面白く無いよ?だっておれが迫っても勃たないんだから」
和「お、大野さん」
智「だから返して?」
「智…だったか?お前が変わりになるんなら、考えてやってもいいんだぞ?」
智「おれの相手できるの?言っとくけど、おれ、凄いよ?」
じゃあ交渉成立ねと、ニノを男の腕の中から奪い返すと角に向かって放り投げた。
「お前もなかなか生意気そうだな…」
智「好きでしょこういうの」
「ふふ…、そんな口叩けなくしてやろうか」
智「どっちが泣くか、勝負する?」
今にもよだれを垂らしそうな男の股間を掴んでやった。
それだけで男は目を細めて俺を舐める様に見た。
「ホテルでゆっくり楽しもうか…」
智「ここでいいよ。おれ、もう我慢できない」
そうだよここでいい
智「疼くんだよね…早く…」
血飛沫なんて飛んだら、清掃のおばちゃんが困っちゃうだろ?
