
不透明な男
第12章 惑乱
智「この取引の話はいつ…?」
「昨日よ。パーティーの段取り確認の為に電話をしたの。その時に、領くんの話をしたのよ」
智「昨日…」
だからか、付き人が先に会場入りしてたからおかしいなと思っていた。
このカメラを取り付けてたんだな。
てことは、あの付き人もグルなのか。
「そんな事はいいのよ。ほら、集中して…」
ひょっとして勃たねえんじゃねえかな、俺大丈夫だろうかと少し不安だった。
しかし夫人が甲斐甲斐しく俺を擦る事によって、俺の中心はムクムクと熱を帯びはじめていた。
「わ…、すごい」
智「あ…、駄目ですよ、シャワーも浴びてないのに…」
「いいのよ、貴方の匂いを知りたいの」
智「ん…」
俺を掴み、クンクンと鼻を鳴らすと嬉しそうにパクッとくわえた。
「んん…、凄く、大きいのね…」
苦しそうに俺をモゴモゴと頬張る。
智「夫人…、苦しいでしょう?離して?…」
「まだ駄目よ」
ああ、やっぱ女より男の方が気持ちいいな。
自分に着いてるんだから気持ちいい所を知ってるのは当たり前なんだけど、とつい思ってしまった。
やべえなおれ
何考えてんだ…
漸く俺の気持ちいい所を舌が探り当てた。
智「はぁ…っ、そ、そろそろ、離して貰わないと…」
「ふふ、気持ちいいの?」
智「結構、意地悪なんですね…?」
そんなでも無かったが、気持ちのいい振りをした。
夫人の機嫌を損ねない様、注意を払った。
多分、俺の苦悶とする表情を見たいのだろう。
ちょっとなら見せてやるよ。ほら、瞳を潤ませて目を細めてやればいいんだろ?
ついでに眉もしかめてやろう。
智「あ、もう、駄目ですって」
「あっ」
智「交代、ね…?」
俺は少し荒い呼吸を耳に吹き掛け、ふわっと笑いながら夫人を見つめた。
目を丸くして頬を赤らめる夫人は、まるで少女の様だ。
智「ふふ…、そんな顔、出来るんですね?」
「えっ…?」
智「凄く、可愛いですよ…」
軽い気持ちで俺を買ったんだろうが、なめて貰っちゃ困る。
せっかく勃たせて貰ったんだし
いいんだよね?
